2020年3月14日に、松尾裕幸さん率いるBURDENよりフルレングス【BETWEEN THE GROUND AND YOUR SHOES】がWEBにドロップされ、約1ヶ月が経ちました。
その時の感想等は記事にさせていただいたところです↓
実は私はこの作品がWEBにドロップされたことで、ある種、今のスケーターのフルパートに対する考えや姿勢のバロメーターになると感じておりました。
このような日本最高峰の作品をもってすれば、昨今のめっきり見られなくなってしまったスケボーのフルパートへ一石投じれるかも、と考えていたからです。
アップロードより1ヶ月が経ち、その結果はどうでしょうか。
再生回数とその所感
まずは結果ですが、その再生回数は本日時点で1204回でした。
この数字を見て私がまず感じたことが、「少なすぎる」ということです。
このような日本ではまず見ることが困難である完全ストリート、完全実力派、国内最高峰作品の再生がたった1204回です。とても悲しくなってしまいましたね。
端的に言ってしまえば、この再生回数の少なさが、現在のスケーターの「フルパートに対する姿勢」ということです。
スマホの台頭で、自宅のベッドの上で10秒前にシェーンオニールが上げた最新動画が見れてしまう世の中においては、やはりフルパートというものは確実に見られなくなっています。
きちんと一つの作品を見るというよりは、数秒のトリックをその都度流し見するわけですね。
しかし、私はこのBURDENの作品においては「例外」として、少なくとも数万回の再生回数となることを楽しみにしていただけに、悲しくなってしまいました。
スケーターのスキマ時間を埋めるスマホ
現在のスケーターは、日常のほんのちょっとしたスキマ時間を埋めることが非常に容易となりました。手元のスマホでインスタグラムを開き、P-RODがアップした映像を見るだけです。
P-RODの滑りを見た後はナイジャヒューストンのハンドレールでしょうか。
以前は彼らのようなスーパースターの映像を見るにはテレビにビデオをセットし、一旦正座をして、ドキドキしながら見たものです。
しかしそれはもう過去の話だということをしみじみ感じますね。
まとめ
今回のスケーターのフルパートへの姿勢がハッキリとしたことで、悲しさと同時に少々危機感を覚えました。
それは、「苦労してフルパートを完成させたとしても、誰も見ないのであれば取る必要はない」とフルパートの概念自体が衰退してしまうことです。
それは私のようなフルパート中毒者には、とても残念なことでもあり、トリックレコードを更新しつづけてきたスケーター達にとっても良いことではない気がしています。
少なくともプロやスポンサーライダーはフルパートが当然、とされていた時代においては、自らが生み出したスタイルとスキルが評価される時代であったわけです。
その概念が今後、完全に崩れた先には、どのようなスケーターの未来があるのでしょう。
ただし、例外として去年ドロップされた堀米雄斗さんのプロデビューパートの再生数はなんと54万回。フルパートが見られない時代もなんのその、驚異的な再生回数です。
これはドロップしたチャンネルが65万人のチャンネル登録者数を誇るNike SBの公式チャンネルであったことや、日本一ではなく、世界一と言ってよい堀米さんという例外中の例外であることが当然寄与しているはずですが、私のような古き良き時代を重んじるおっさんスケーターには朗報だったりもします。
なんとかフルパートの概念自体は衰退してほしくないと切実に願います。。。
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