松尾裕幸さん率いるBURDENより、2016年にドロップされたフルレングス作品【BETWEEN THE GROUND AND YOUR SHOES】がWEBにて解禁されました。
この作品に参加する方達は国内屈指の実力派達、生粋のストリートスケーターであり、その渾身の映像は、見るもの全てを魅了するものであると、私は思います。
フルパートを持つライダー
- 松尾裕幸
- 阿部涼太
- 村井海斗
フルパートを持つのが3名というと、フルレングスという意味ではかなり少数な部類でしょう。
しかし、スマホの台頭による「流し見」が主流の最近の作品では、このような少数精鋭で構成されたものが非常に多く、見てて飽きさせない内容となっております。
ここでちょっと以前記事にしたことのおさらいですが、そもそもBurdenとはブランドでもなければ会社でもありません。
松尾さんがインタビューでおっしゃっていましたが、Burdenとは
「各ライダーの価値観を表現するための旗印であり、今後スケートカルチャーを中心としたさまざまな発信をしていくもの」
とされています。
ちなみに命名は「人生には面倒なこと(=Burden)がたくさんある。だからこそ自分らしさを見失わないために夢中になるものをいつまでも大切にしたい」というコンセプトからつけられたようですね。
スケボーは時に人をちょっと不安にさせるくらいハマらせてしまうほどの魅力があります。私にはスケボーにまずい意味でハマりすぎたことによって、道を踏み外した友人もいます。もちろん悪いのはスケボーではなく本人ですが。
私が勝手に思ったことですが「夢中になるものをいつまでも大切にしたい」というBurdenの命名コンセプトは、スケボーの良い面、素晴らしい側面を端的に捉えたものであると感じました。
松尾さん一人で命名を考えたのではないかもしれませんが、やはり天性の才能を持った人はスケボーの技術だけでなく、スケボーに対する向き合い方も天才なんですね。
BETWEEN THE GROUND AND YOUR SHOESの感想
私のような超末端スケーターが感想を述べることすら恐れ多い程、神がかった作品です。
この作品の最大の特徴は、トリックが基本的にデカイ、何一つ簡単にできるトリックがない、ということが言えます。全てがラストトリック級で構成されている感じですね。
普通のスケーターならラストトリックにスローモーションでもってくるようなトリック映像を序盤や中盤で惜しみなく使い、というか全てがラストトリック級なので、惜しむ必要もないですね(笑)
中でも私が個人的に一番驚いた(全部驚きなのですが 笑)のはやはり松尾裕幸さんのハンドレールでの「フリップバックサイドノーズブラント」でしょうか。
あの規模のハンドレールでこのトリックを行う日本人は、レベルが急速にあがっている国内においてもさすがにしばらく出てこないと思います。とにかくあんなこと、基本的には出来るものではありません。
ハンドレールの恐怖に打ち勝つ強い心と、フリップとバックノーズブラントという複合トリックの繊細な技術が合わさった、芸術です。
まとめ
この作品を見て私が思ったのは、まるで3人が削った命の映像を見ているかのような、そんな気がしました。
スタイルにもよりますが、スケーターと言うものは基本的に、一瞬の輝きの為に全てを捨て去ることができる、少々損得勘定が欠落した人種です。
皮肉なことに、その輝きが一瞬であればあるほどその輝きは増すものです。つまり、より短命な滑りであればあるほど、人々は熱狂するのです。
クリスジョスリンやアンドリューレイノルズ、デイビッドゴンザレス等が良い例ではないでしょうか。ただのフリップより命を削ったフリップに熱狂する人々が多くいる以上、やる側の命の削り方はより危険なものになっていくでしょう。
私はこの作品に、もはや美しさすら感じてしまいましたね。それと同時に、勝手に御三方の身体の心配も。
このように作品を見てライダーの身体の「心配」が出てきたということは、私自身が歳を取ったことの証であると感じます。
それこそ若い頃は、より危険なこと、より複雑なことをするスケーターの映像に、ひたすらに熱狂していたように思いますから。
撮影に全てをかけた男たちの映像、必見です。
#01【Piece of Burden】BETWEEN THE GROUND AND YOUR SHOES - BURDEN 2016
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