最近、初心者の方がよくSNS等に自分のトリック動画を上げて、「これはどこが悪いでしょうか」と質問し、とても多くの「教え魔コメント」がついていることがありますね。
まぁ「教え魔」というのは教えてもらいたいと思っていない人に無理やり教える人のことを指すので、この場合は違うかと思いますが、最近はとにかくやたらと教えたい人が多いと感じます。
特にスケボー歴1.2年くらいの初心者上がりの人に多い印象ですね。
ではそんな教えたがりの人がコメントしているアドバイスは果たしてどのくらい効果があるものなのでしょうか。
魔法の言葉はあるのか
私はスケボー以外のスポーツ(正確にはスケボーはスポーツでありませんが)をやったことはあまりないのですが、先日とある実業団のスポーツ選手と話していたときに、スケボーとの共通点を見出すべく質問してみました。
「○○が出来ない場合、○○すれば出来るようになる、という魔法の言葉はあるのか」
スケボーで例えるなら、フリップができない人に「○○すればできるようになる」という魔法の言葉をかけて急に次からフリップができるようになるのか、ということですね。
答えは一瞬でした。
「ない」
とのこと。
スケボーとスポーツは違いますが、私もまったくの同感。「こうすれば出来るようになる」などという都合の良いものは、スケボーの世界にもスポーツの世界にもないのです。
つまり、魔法の言葉は存在しないのです。考えてみればそれもそのはず。そんな言葉が存在するのであれば、もはやみんなプロですからね(笑)
では、アドバイスが全く無意味なのか、というとそうでもないのです。難しいですね(笑)
向かう方向を示すことが重要
スケボーのトリックというものは大まかなやり方を肌で感じ取ったあとは、どれだけ頭の中にあるイメージを自分の身体に落とし込むことができるかの世界です。
余談ですが、天才と呼ばれるスケーターは頭でイメージした動きと自らの実際の動きを完璧に一致させることが出来る人を指します。
その「頭の中のイメージ像」そのものが間違っていた場合、または練習がそのイメージ像に向かってさえいなかった場合、例え何万回練習したとしてもメイクにたどり着くことはありません。
良いスケボーの教え方というのは正しい方向に向かう練習方法を導いてあげることを言います。
私が良く教え方で使うのは、例えばトレフリップが回転は良いのに自らが浮いていないため、空中での余裕がなくメイクに至らないときは「もっとフワッと上に飛ぶように練習してみて」などのように、意外とボンヤリした感覚的な、なおかつ誰にでも簡単にできそうなアドバイスをすることです。
意外とこれが一番効果あるんですよ本当に。これくらいざっくりとしたほうが人間はイメージしやすいんですよね。
私の経験上、「もっと足首を使ってななめ方向に蹴って~」なんていう一つ一つの動作説明をしてもまぁ出来ることはありませんね。
「フワッと上に飛ぶように」というボンヤリしたイメージを常に念頭において繰り返し繰り返し反復練習をすることによってメイクできはじめ、1度メイクの感覚をつかめば、もうあとは自らのオリジナルの捉え方で完成度を上げていくことになります。
1度のメイク以降はそこにはもはや共通したやり方なんてものは存在しませんからね。前に体重が乗りすぎてる人もいれば後ろに体重が乗りすぎている人もいるわけで。
まとめ
まとめます。
スケボーには「〇〇すればできるようになる」という魔法のアドバイスは存在しません。
もちろんスケボーの世界には常に例外が存在しますから、そのようなアドバイス一つで出来るようになった人もいるでしょう。
ただし、それはまぐれか、もしくはその人にそもそも才能があってそのようなアドバイスがなかったとしても出来ていたのに、たまたまそのタイミングでできるようになったか、です。
私の大好きなスポーツ選手であるイチローの言葉に「時には後退もしながら、一つ一つ積み重ねることがとんでもない場所へ行くための唯一の方法」というものがあります。
スケボーのトリックも同じだと思います。
近道や魔法のアドバイスなどありません。プロのメイクを動画等から自らの頭の中に叩き込み、それを何千回というデッキを弾く中で、ちょっとずつ自らの身体に落とし込んでいくのです。
結局これが一番の近道です。
スキルに関しての関連記事です↓
スケボーを上手くなりたいだけならデッキは下記のようなブランクデッキで十分です↓
8インチで良いと思います。