コストン太郎のスケートボード情報館

スケートボードを愛する男です。日本のスケボーに関する全てを語ります。

日本のスケートブランドが精力的な活動を辞めてしまう理由

 

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最近ではブームが過ぎ去ったように感じますが、10年よりもうちょっと前でしょうか、日本国内においてスケートブランド立ち上げブームがありました。

 

 lesque(レスケ)を始め、JOYNT(ジョイント)、RELA(リラ)、DOSTECH(ドステック)、UNIFUL(ユニフル)、IFO、DZEE(ディジー)、エクスパティーズ、その他。

 

 しかし今ではそのほとんどが、立上げ当時は頻繁に行っていたツアーやフルレングスビデオ制作、YOUTUBE更新、ニューアイテムリリースなどをストップさせており、中には廃業となったブランドもあります。

 

 立上げ当時は精力的な活動をしていたにも関わらず、日本のブランドはなぜアメリカのブランドのように永続的で継続的な活動が見られないのでしょうか。

 

順番に理由を見ていきましょう。

 

市場規模の小ささ

 まず、最初に言えるのが、日本のスケボー業界というものはまだまだ市場が小さいです。

 

 オリンピック金メダリストの登場で、今後どのように変わっていくのかはわかりませんが、アメリカのような規模になることは少々考えづらいと思います。

 

 アメリカではスケボーは歴史ある文化であり、プロスケーターはストリートで排除されることももちろんありますが、尊敬される立ち位置でもあります。

 

 ある小学校のアンケート調査では、将来なりたい職業ランキングで1位がプロスケーターだった、なんていうウソかホントか分からない話まで出たことがあるくらいです。

 

 ですが日本ではまだまだ野球やサッカーに比べれば市場規模は小さく、ハッキリ言ってしまえばお金になりにくいのです。

 

 いくら精力的にツアーに行ったりフルレングス作品を出したところで、ブランドの売上げに直結せず、体はボロボロになるうえに、赤字だし、ということで精力的な活動がなくなってきた、ということが言えます。

 

 以前は一年の間に2つ3つのブランドが誕生していましたが、今では本当に国内ブランドの立ち上げがなくなりましたね。

SNS・スマホの台頭

 今では手元のスマホのクリック一つで世界最先端のトリックが無限に出てきます。

 

 それもシェーンオニールやナイジャヒューストン等、世界最高峰プロスケーターのプライベートショットのおまけつき。

 

そしてなによりその全てが無料。

 

 このような時代に、国内スケートブランドがフルレングスを出したり雑誌で紹介されたところで、現実的には焼け石に水でしょう。

 

 アメリカのスケートブランドに顧客を持っていかれるのは火を見るより明らかですよね。

 

 現代は、家で寝っ転がったり、病院やご飯屋さんでのほんのちょっとした待ち時間にスマホをさわりますよね。

 

 そんなスキマ時間を簡単に世界最高峰のプロスケーターのトリックで埋められる現代のスケーターに対し、国内ブランドがいくら広報活動したところで、売上に結び付けるのはかなり難しいと言えるでしょう。

 

モチベーションの低下

 実はこれが一番根が深かったりします。

 

 ブランド立ち上げ当初は、やはり自身のブランドを持ったという高揚感や、「これからがんばるぞ」というような意気込みがかなり高く、精力的な活動を行うエネルギー、すなわちモチベーションがあります。

 

 しかし、いつまで経っても売り上げが伸びない現状や、渾身のアイディアやグラフィックが不発に終わってしまった時、心が折れてしまい、モチベーションが低下してしまうのです。

 

 それと、ブランド運営って意外とめんどくさい事務仕事が増えるんですよね。

 

 仕入れ、売り上げ管理、店舗へ卸す営業や、ネット販売事業管理、確定申告、何よりも一番手間だと思うのは、アメリカやカナダ、中国でデッキ等を制作するとなるとその発注のやり取りです。

 

 日本語が通じれば良いのですが当然そうもいかず、ちょっと英語ができる友達にメールの翻訳を依頼したりして、1回2回ならまだ良いのですが、3回4回と依頼して、ちょっとウザがられてしまったり(ブランドを立ち上げた友人経験談 笑)。

 

 とにかくめんどうなことが多く、それらがさらに自身のモチベーションを奪うのです。

 

まとめ

 スケーターという人種は基本的に根っからの「プレーヤー」であることが多いです。

 

 それもそのはず、スケーターは三度の飯よりデッキに乗ることが大好きで、何よりもデッキの上を優先させるのです。彼女より、仕事より、学校より。

 

 そんな根っからのスケーターが仕入れ管理から売上げ管理、HPの更新やyoutube更新、ツアーの手配等で事務作業に追われてデッキの上に乗れなくなったら、それはモチベーションも低下してしまいますよね。

 

 そのモチベーションの低下が、日本のスケートブランドの精力的な活動の低下につながっているのです。つまり、何も考えず、毎日楽しく滑っていた「イチスケーター」に戻りたくなってしまうのです。

 

 アメリカでは、市場があまりに巨大な為、そのような事務作業は全て裏方のスタッフ、つまりそのブランドに雇われている社員さんが請け負うので、ブランド立ち上げた本人はいつまでも「プレーヤー」でいつつ、ブランドが継続できるわけです。

 

 日本のように小さい市場では、自身のブランドに社員を雇うなんていうことはほぼ不可能に近いでしょう。

 

  その点、株式会社レサンスという会社が運営しているLESQUE(レスケ)は非常に上手くブランドを経営されていると言って良いと思います。

 

 7、8年程前でしょうか。レサンスの代表が辞められた時、その方は各営業先にも非常に人望のある方だったのでどうなるかと思いましたが、今ではプレーヤーである伊藤慎一さんが代表となり(実質元から二人代表だったというイメージでしたが)、以前ほどの精力的な活動は見られなくなったものの、コンスタントにニューモデルのデッキをリリースされています。

 

 LESQUEは国内ブランドにはあまりない、継続的な展開ができている例外的ブランドと言って良いと思います。

 

 

 

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