若い頃と歳をとってからのスケートライフと言うものは確実に変化します。「歳をとってから」という具体的な年齢に関しては30歳を過ぎたあたりからでしょうか。
それはなぜかというと個人と言うものは年齢とともに環境が変わったり、身体的な衰えというものがやってくるからですね。
例外なく、若い時と同じスケーティングができる人は一人としていません。しかしそこには個人差が大きくあり、アンドリューレイノルズのように30歳を超えてもビッグステアをこなす怪物もいますね。
撮影時における変化
歳をとるとどのようにスケートライフが変化するかというと、まず、撮影時においては一つのトリックに絞ることが増えてきます。
若い頃はステアを見つけたら2つ3つとトリックを狙ったものですが、歳をとるとトライ回数が限られるので、1つに絞らなくてはならないということです。気力の問題もありますしね。
それこそ10代の頃はステアによっては100回トライすることもできます。まぁ普通の人からすれば完全に頭がおかしいですけど(笑)
一昔前にビッグトリッカーとしてその名を欲しいままにしていたアート・サーリが以前インタビューにおいて「昔は何時間もひたすら滑り倒してその中で多くのフッテージを残したが、今は一つのトリックを撮影するのに3日間かけることも増えてきた」と言っていました。
多少うろ覚えですが、ニュアンスは合っているはずです。
これが何を物語っているかというと、
- 前作を超えなくてはならないので、トリック難易度が高くなってきた
- 「増えてきた」の言葉に身体的な負荷を感じている
と言えます。
「前作を超えなくてはならない」というのは自由なはずのスケボーに、スケーターが自らに課す謎ルールです。
彼は身体的な衰えが来るにも関わらず、トリックの難易度は上げないといけないという、一見矛盾するスケボーの特性に身体の限界を感じて引退したのかもしれませんね。
普段のスケボーにおける変化
もう一つ確実に変化することは、普段滑る回数が減るということです。
これは身体的衰えもありますが、何より環境の変化です。
結婚、育児、仕事によってライフスタイルが変化することにより、スケボー100%だったライフスタイルが、スケボー50%・仕事50%となってきたりします。
そして週7で滑っていたのが、週3になり、最終的に週1になってくるということですね。
実際私も今は週1回滑れば良い方で、怪我もしていないのに1ヶ月くらい滑らないときもあります。スケボーが好きな気持ちは若い頃から変わっていないんですけどね、子供のことや仕事、家事のこともあってこのような状況になってしまいました。
そして極めつけは一人ではテンションが上がらないというジレンマも徐々に始まってきます。誰かと一緒じゃないと滑らないということですね。
昔は一人で散々滑っていたんですけどね。本当に歳です。
まとめ
こうやって変わっていくスケートライフを羅列してみると、
若い頃「上手くなりたい」「撮影したい」 → 歳をとると「とにかく楽しみたい」
という変化があると言えるかもしれませんね。
何しろ歳をとった頃には自らの上手くなる限界というのは嫌というほど身に染みていますからね。それはちょっとした「逃げ」のような形になってしまうのかもしれませんが、身体的衰えという物理的な壁がある以上、「上手くなりたい」から「楽しむ」に変化するのは自然の摂理と言えるでしょう。
無限の楽しみ方があるスケボーですが、それぞれ個人にあった楽しみ方で、いつまでもデッキの上の幸せを感じていたいものです。
関連記事↓