スケボーはとてもテンションに左右される遊びです。
どんなスポーツであれ、多少のテンションやノリといったものはパフォーマンスに影響することがありますが、スケボー程それが顕著に現れるものはありません。
そしてそのテンションとノリというものは決して一人で感じれるものではなく、そこには必ずスケボーの仲間の存在があります。
どうしてスケボーは仲間から得られるテンション等でパフォーマンスが左右されるのでしょうか。
恐怖に打ち勝つ
まずこれが一番わかりやすいです。
一人でストリートのハンドレールに入りに行く人はいないと思います。もしそんな人がいるならかなりぶっ飛んだ方です。
ハンドレールに入るときは、その恐怖がどれほどのものかわかってくれる仲間がいて、トリックの難しさを理解してくれるカメラマンがいて、そして自分には皆の期待にこたえたいという気迫が合わさり、ようやくテールを弾かせてくれます。
ブランドのライダーの中には、ビデオカメラマン(映像)だけではなく、フォトグラファー(写真)もいないとハンドレールやステアはやらない(やれない)というプロもいます。
それほどまでに危険なことをするときは自分の力だけでなく、仲間の助けが必要だということです。
これはあくまで凡人の話で天才は皆の期待や、自分に勝ちたい!なんていう気迫がなくてもポンッとテールを弾きますが。
ニュートリックをやる時
スケート歴が1、2年の小学生や、中学生くらいの頃であるなら、一人でもニュートリックの練習はするでしょうが、大人になるにつれて、ニュートリックの練習は仲間がいる時にしかしないことが増えてきます。
ただでさえスケボーというものは5、6年もやっていると、そこから急激に上手くなる、ということが減ってきます。
「1年目~5年目より、6年目~10年目の方が成長のスピードが早まった」なんていうスケーターはかなり少数で、ほぼいないと言ってもいいです。これはその人の才能や練習量の問題ではなく、それはもはやスケボーの「特性」です。
個人差こそありますが「出来るものは最初からできる」「できないものは最後までできない」という冷たい部分がスケボーには確かに存在します。
つまり、あるトリックが「急に自分の得意トリックになる」ということは5年目までに終了しているわけです。
それ以降ニュートリックができる時というのは、周りとの楽しいセッションの中でテンションが上がってきたとき、スケーターには「いつもはできないけど今日はできる気がする」という謎のスイッチが入ることがあり、その時であることが多いです。
そしてこの謎スイッチが入るのも99.9%「仲間といるとき」です。
まとめ
色々と説明してきましたが、最後に元も子もないことを言います。
ぶっちゃけスケボーというものは仲間たちと、メイクして「イェーイ!」とか、転んで「いてー!!」とか、言っている時が一番楽しいということです。
これは僕たちが初めてスケボーに乗ったとき、一番初めに感じる感覚ですよね。スキルが上がるにつれてコンテストや撮影、トリックなどの楽しさを覚えていきますが、結局スケーターとしての最高の楽しさは、始めた当初の原点である、仲間達との楽しみの共鳴です。
その共鳴こそが自分のスキルを一段階上に上げてくれる不思議な力を持ちます。団体競技なら分かりますが、これほどまでに仲間に左右される個人競技はスポーツには確実に存在しないでしょう。
一人で楽しむというよりは二人なら二倍、三人なら三倍と言った、楽しさが倍々ゲームになっていくところに、スケボーの最大の魅力があるのではないでしょうか。
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