何度かストリートでの撮影をする大変さを記事にしたことがありますが、今日はツアーについて書きたいと思います。
最近ではツアーと言えばデモだけでなく、必ず「ツアービデオ」が製作されるようになりました。
ツアーと言うのは海外ライダーがブランドを宣伝するために来日したり、国内のブランドの宣伝でも国内ツアーが行われることがあります。つい先日はBurdenのツアー映像がドロップされましたが、その内容はとんでもないハンマーの連発でしたね。
このハンマーの連続がどれほどすごいものか、実際にツアーにいったことがあるスケーターならわかると思います。
ストリートの疲れはすさまじい
基本的にストリートの撮影というものは1日の中で1人1スポットであることが多いです。例え1日に2スポット回ったとしても実際に滑るのは一人が1スポット目、もう一人が2スポット目、といった具合です。
まぁ中には最初にステア行ってすぐメイクして次にハンドレール行ってまたメイクする、という怪物もいますが、普通は1日1スポットであることが多いです。それほどストリートの撮影というものはライダーを消耗させます。
特に会心の一撃的なメイクをできた後は、そのトリックやセキュリティのかいくぐり等の撮影のストレスから解放されたことで心も体も一気に解放され、精神的に「満足」な状態になってしまいます。
ですから例えその後に次のスポットを案内されたところで、その日のうちにもう一度撮影するその気力を呼び起こすことは非常に難しいです。これは体力もそうですが、精神的な気力の部分の方が大きい場合が多いですね。
撮影はただでさえ気力がモノをいうことが多いですから。
ツアーと言うもの
このようにストリートの撮影は非常に色々と消耗するものですが、ツアーの場合はそうもいっていられません。
それは与えられた数日間の間に映像を量産し、ツアービデオを製作しなくてはいけないからです。つまり、作品として成り立つようなボリューム(映像時間)を確実に納めないと、そのツアー自体の存在意義に関わることになってしまうわけです。
お金と時間と人を使ってツアーを慣行したのに、映像撮れませんでしたでは笑い話にもなりませんので、ライダーはとても大変です。
ですからツアービデオは難しいトリックやすごいトリックを撮ることよりも、とりあえずメイクすることが最優先となり、映像としては普通の作品よりレベルが下がってしまう傾向にあります。
中には初日にライダーが怪我をしてワンカットも残すことなく残りのツアーを棒に振ったり、回る予定だったスポットが全てセキュリティによりキックアウト、なんて場合もありますからね。
責任感のあるストイックなライダーほど「映像を残さないといけない」という精神的なプレッシャーを多く感じると思います。
ブランドのツアーというものは「仲間とのスケボー旅行」のように楽しいことばかりではなく、楽しさよりも逆にプレッシャーの方が大きいかもしれません。
そういう意味で、先日出たBurdenのツアービデオがどれほどすごいものだったかわかると思います。
ツアーであんなハンマートリックばかり撮るなんて、皆怪物としか言いようがありません。初日で誰か病院送りになってもおかしくない内容でしたし、まずあんなデカいトリック一つでもメイクすれば普通なら精神的に満足してしまい、1週間くらいスケボーはもうお腹一杯状態になってもおかしくありませんからね。
まさに怪物ツアーでしたね。
まとめ
ツアーというものは「とりあえず映像を残すこと」が最優先となってしまった結果、トリックチョイスがある程度簡単なものになるのは仕方のないことかもしれません。
しかし、スポンサーライダーというものは「仕方がない」と言ってはいけない位置にいます。スポンサードされるということはそういう厳しい世界に身を置くということなんですね。
特にストリートでよくある「一つのトリックにこだわって100回トライ」なんてことしたら3日間くらいスケボーできなくなってしまいますから、それもダメなわけです。
まとめると、ブランドを宣伝するためのツアーというものは
- すごいトリックを
- 少ないトライでメイクして
- それをいくつも量産する
ということです。
無理ですよね(笑)
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