こんにちわ。コストン太郎(@kostontaro)です。
以前カメラマンの大変さについて書きましたが今日はフィルミングにおけるライダーの大変さについて書きたいと思います。
ストリートの大変さ
ストリートはとにかく大変です。パーフェクトなスポットというのはほとんど存在せず、スポットには何かしらスケッチーな部分があります。
わずかな段差だったり、路面の粗さ、横にある壁が気になったり、着地が微妙に坂になってたり、道路脇だったら車が気になったり人の歩行が気になったり、もう上げればキリがありません。パークでメイクするKグラインドとストリートでメイクするKグラインドは全く別物と言って良いくらい違います。
やらない人からすれば例えばスポットの横の植え込みに木が生えていたって、別にライン上にその木がなければ「いや気にならないでしょ」となるのはわかります。でもやる方は気になっちゃうんです。ステアやハンドレールなど、危ないことやるときには特に。
ハンドレールなどの大きいスポットになると、100m先の道路に人がいても気になるライダーもいますからね。それほど集中しているということです。
ですから皆さんが何気なくみているストリートの映像にはそれらの障害を一つずつクリアしてようやくたどり着いたメイク映像なわけです。1つのメイクなんか2秒で過ぎ去りますが。
一番の大敵
ストリートでトリックをメイクするときに一番の大敵って何でしょうか。
そりゃ路面やプッシュの長さ、ワックスの浸み込み具合など色々ありますが、一番の大敵は【人】です。セキュリティだったり警察だったり近所の自治会ノリのおじさんだったり。
路面より段差より、【人】というものは何よりも集中できません。いつ来るか分からない恐怖と、早くメイクしないといけない焦りが入り混じって吐きそうになります。
そりゃそうです。わざわざフィルマーに仕事が休みの日に来てもらって、車で遠くまで来て、時間とお金を使ってたどり着いたスポット、どうしても今日メイクしたくて、今セキュリティがいなくて超チャンス!って時に「もし今セキュリティがきたら・・・」なんて思うと本当に足が思い通りに動かないほど焦るんです。
なんかつくづく私たちスケーターって何やってるんだろって自分でも思っちゃいますね。「メイクの2秒の映像を取るために時間と金使ってスケボーしにきて自分で勝手に緊張したり焦ったりしてる」わけですからね(笑)
近年この物語に注目が集まっている
最近はb-sideやrough cutと言った、メイクまでの映像が作品として世に出るようになりました。先駆けはEMERICAのMADEでのb-sideしょうか。Thrasherでは「My War」というハンマートリックのメイクまでを追ったドキュメンタリーもありますね。
通行人に怒られ、妨害されながらもレールやステアに突っ込んでいく姿は本当にカッコいいです。すぐ隣であんな大声で注意されているのに良くレールに入れるなと思います。
人だけに限らず、着地が砂っぽいところにセメントを敷いたり、プッシュするところにスキマがあったらそれを埋めたり、メイクにたどり着くまでにはたくさんの物語がつまっていることが多く、その過程までも楽しめるのがスケートボードです。
メイクだけでなく、メイクの過程までの映像にニーズがあると誰かが気づいたのか、最近は世にb-sideがたくさん出るようになりましたね。
まとめ
上記で説明してきた通り、フィルマーも大変ですがライダーも大変です。
想像してみてください。例えパークでもビビりながらも初めてレールをやりたくて、何とか行けそうな気がしてきたときにパークの管理人さんから「あと1分で閉めるよ~」とか言われたら超焦りませんか?
それがストリートだと「閉めるよ~」ではなく「今すぐやめろ!!」と知らないおじさんがグイグイ近づいてくるわけですからね。
自分のパートが出来上がった時、「あ、このトリックの時は変なおじさんに注意されたなぁ」とか「ここは路面が最悪だったなぁ」とか色々思いだしたりもします。そういう楽しみもあるんですパートって。
野球でピッチャーが振りかぶった時に知らないおじさんに「すぐにやめろ!!」と胸ドンされることなんて絶対ないわけです。そういう意味でもスケートボードってつらいことも多いけど、普通のスポーツと違う他にはない魅力がたっぷりな最高の乗り物ですよね。
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