コストン太郎のスケートボード情報館

スケートボードを愛する男です。日本のスケボーに関する全てを語ります。

ライダーとカメラマンの確執・衝突について

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 ストリートでの撮影。スケーターがとりあえず目標とすることが多い「フルパート」を完成させるにはライダーだけでは不可能です。それを撮ってくれるカメラマンがいないと成り立ちません。

 

ライダーとカメラマン。

 

 本格的な「フルパートの撮影」というものを実際に経験していない人は、ライダーとカメラマンって一見すごく仲が良いように見えるのではないでしょうか。

 

 まぁ、フルパートをドロップできるほどのお互いが切磋琢磨してきたライダーとカメラマンですから根っこの部分で仲が良いのは間違いないです。根っこで仲良くなければフルパートを撮り終えるまでに決別しているでしょうから。

 

 しかしそこは人と人ですし、滑る人も撮る人も、ひとクセもふたクセもあるスケーター(笑)。となると当然365日仲良しこよしではありません。

 

 ライダーとカメラマンは、見ている周りからは感じ取ることができない衝突や確執というものがあることもしばしばです。

 

それはどんなことでしょうか。

 

趣味の違い

 言うまでもありませんが、スケーターというものは何がカッコ良いと感じるかは人それぞれです。

 

 ナイジャのように地獄のような滑りが好きな人もいれば、PJラッドのようなテクニカルなスケートが好きな人もいるでしょう。はたまたデーウォンソンのようなマニュアルトリックに見る独自のスケートスタイルを築き上げたようなスケーターが好きな人もいます。

 

 それと同じで「〇〇のスポットで〇〇をやったらカッコイイ」というのは人それぞれ違うのが当然であり、例えばカメラマンにとっては全然良くないトリックでもライダーは「どうしてもやりたい!」という場合もあります。

 

 そういう時に撮っているカメラマンとして「メイクしても大して良くないのになぁ。。」と、どこか撮っていても楽しくないものであれば撮影に身が入らない場合もあるということです。

 

 一生懸命やっているライダーに失礼だと思われるかもしれませんが、これは観点や趣味の違いであり、赤が好きな人と青が好きな人、くらいの感じなので、しょうがない部分です。人間ですから。

 

 カメラマンだって出来るだけライダーがやりたいと思うものを撮りたいし、ライダーだってカメラマンが撮りたいと思うトリックをやりたいです。しかし、時にこのような趣味の違いから小さなすれ違いが生まれることもあるわけですね。

 

もう一度言いますが、これは個々の趣味の問題であり、仕方がないことです。

 

アングルやレンズ等のリクエスト

 私は基本的にアングルや使用するレンズ等の「撮り方」についてはカメラマンに全て一任でした。私よりカメラに詳しく、撮り方も当然上手いですし、編集も担当するわけですからカメラマンにはその構想もあるはずです。

 

  ですから撮り方についてはカメラマンに全信頼を寄せて全てお任せしていました。私は一発でも一分でも早くメイクすることがライダー仕事だと思っていましたので、その「メイク一点集中」でしたね。

 

というか、メイクすることにいっぱいいっぱいでとても撮り方などこだわる余裕がなかった、というのが正直なところです(笑)

 

 しかし、当時撮影していた地元のライダーの中にはやはり「こう撮って欲しい」「ああ撮って欲しい」というリクエストを出す仲間もいましたね。

 

 通常撮り方に関してはカメラマンの方が1000倍詳しく、こちらは余計なことは言わなくてもいいはずなのです。カメラマンだって自分が撮るのに、あーだこーだ言われれば良い気はしないかもしれませんし。

 

しかしこれを言いたいライダーの気持ちもわかる部分があるんですよね。

 

 カメラマンにもフルパートの構想があるように、当然ライダーにもフルパートの構想があり、どっちも真剣なんですから。

 

 そして、そのリクエストがカメラマンが共感できるようなものであれば良いですがそうでなかった場合、やはり少し確執が生まれてしまうこともあります。

 

まとめ

 ライダーとカメラマンの衝突というのは、お互いが本気であるからこそ、でありその全てが悪いものとは限りません。お互いに切磋琢磨した方がそうでない場合より当然良いものができるのは間違いありませんから。

 

 たかがスケボー、されどスケボー。スケーターにとって撮影とは人生をかけた本気の遊びです。

 

 決して相手の言い分を飲み込むのが嫌だから、ということではなく、お互いが最高の一瞬を「撮影」という形で切り取りたいと真に願っているからこそ衝突が生まれ、それを乗り越えた先に「フルパート」「試写会」「DVD」という後世に残るものが出来上がるわけです。

 

 私は残念ながら試写会というものを経験したことはありませんが、数人の仲間とフルパートと非売品のDVDは作成したことがあります。

 

 その作品が出来上がった時は、少々確執があったライダーとカメラマンも過去のことはまったく水に流し、最高のビールで乾杯をしていましたね。というか撮影中にあった確執がちょっと良いスパイスになったくらいの感じです。

 

 今ではたま~に当時のスケボー仲間で集まった時に、奥さん方と子供達に囲まれながら昔のDVDを見ながら古き良き時代を振り返ることがありますが、苦労や衝突があったからこそ、今振り返ると最高の時間だったなぁと思いますね。

 

 撮影って真剣だからこそ永遠に後世に残る、とても良いものだと思います。

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