世の中の大半のスケーターはアンドリューレイノルズのようにアラフォーになっても10段のステアを飛び続けるといったことはできません。天が与えた「天才的な頭脳」と「強靭な身体」という二物は、通常の人間は持ち合わせていませんから。
以前自分がスケボーにおけるスキルの衰えを感じた瞬間について少し記事内でふれました。
今日は誰しもが経験するその「衰え」についてもう少し掘り下げてみたいと思います。
衰えを感じる瞬間
10歳で始めたスケボー少年が、12歳でスキルの衰えを感じることはありません。あっても昨日できたトリックが今日は調子が悪いな、くらいではないでしょうか。それが20代後半くらいになってくるととても顕著に衰えを感じることとなります。
今まで出来ていたトリックができなくなった時、”今日は調子が悪い”というレベルではなく、明らかに今までとは違い、不調と言うよりはもっと根幹的な「何か」の欠落を感じます。
「これ、たぶん今日だけじゃなく、明日もできねーな」という感じ、これが「衰え」です。
私も、何も考えずにできていた100発100中のトリックが、きちんとウォーミングアップをして、ちゃんと頭で考えながらやらないと出来なくなった時期がありました。
今思えばここが「衰え」の始まりだったと言えますね。
私の場合具体的にはカーブでの5-0グラインドやバックテールでした。昔は本当得意だったのに。。。
でもなぜか一つ上のトリックである、フリップバックテールのメイク率はさほど変わらなかったりしたんですけどね(笑)。元々100発100中には程遠いトリックだったからでしょうか。
恐怖心の倍増
「恐怖心」
もっとも衰えを感じる部分かもしれません。何しろスケボーにおける恐怖と言うものは頭だけでなく、身体全体で感じるものですから。
以前は普通に飛んでいたステア、スリルを楽しむ余裕すらあったステア、これがあるとき「あれ?ちょっと怖いな」と感じるようになります。ちなみにこれは人間の防衛本能と言えるもので、怪我の回避の為にはとても大切な感情です。
これを脳が感じたということは自らのスキルが衰えていて、怪我をする可能性が以前より高まっていることの証拠です。
「以前は恐くなかったのだから、この恐怖は自分の錯覚だ!!」とばかりに突っ込んで病院送りになったスケーターは少なくないはずです。
この「あれ?なんか怖いな」という感覚はおおむね正しい感覚であることが多く、無視することはそれなりにリスクを冒すことにもなるということです。人間の防衛本能はとても優秀ですよ。
まぁそれを乗り越えてメイクすることがスケボーの醍醐味であり、カッコ良さでもあり、それを求めて日々スケーターが自らと戦い続けている理由なのですが。
まとめ
私がこれら「衰え」を初めて感じたのは、22歳くらいだったと思います。
随分と早い感じがしますよね。
しかし22歳の時に感じた衰えはほんのわずかなものです。神経質な私だから感じたのではないか、というほど、些細なもの。それまでは進化しかなかったスケート人生ですから尚更敏感に感じ取ったのでしょう。
そしてそれがどんどんと大きくなり、些細ではなくなってくるということです。
最終的に「衰え」により全体的なスキル低下を認めざるを得なくなったのは27、8歳くらいだったと思います。
そこからもしばらくはスキル向上に努めたのですが、どうしても向上はできませんでしたね。とても悔しかったですが、私の努力が足りなかっただけかもしれません。
これらはもちろん私の体験であり、衰える年齢には個人差が大きく影響してくるでしょう。それからのスケートライフの楽しみ方もまた個人差が大きく出てくる部分であると思います。
スケボーにおけるカッコ良さの要素にスキルが大きく関わってくることは間違いありません。例外を除き、スキルはカッコ良さの大部分を占めると言っても良いでしょう。
しかし御存知のとおり、カッコ良さはスキルだけではありません。
皆さん、良いスケートライフを!
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