涼しくなってきましたね。私はこの季節が一番好きで、一年を通して一番滑る時期です。
今日は環境がスキルに与える影響を考えてみたいと思います。ここで言う「環境」とは、仲間だったり、スポットだったり、または国であったり、ということを指します。
今はもうスケボーから引退しましたが、イッセイユミバさんなんかはフックアップされた当初、ストリートで世界に通用する初めての日本人スケーターとして日本を震撼させました。
そんな彼もやはり米国在中で、同じ日本人なのにやはり環境はスキルに影響するのだなぁとしみじみ感じたことを覚えています。
仲間が与える影響
chatty chatty に見るような、ある特定の地域のスケーターが異常に上手い、という現象は確かにあります。
chattyクルーのスキルに関してはセガ前という伝説的なスポットがあったことによる影響なのは間違いありませんが(戸枝さんもインタビューで言っていました)、私はchattyクルーのあの異常なスキルはセガ前の存在以上に、仲間の影響が一番大きいと思います。
林正翔さんという日本一の天才を筆頭に、巨大なステアをメイクする清水葵さんや、のちにモデルデッキをリリースし本当のプロスケーターとなる戸枝義明さん、北村浩一さん、中島壮一郎さん、そして何よりこのメンツを一つの作品として世に出す田内努(ポン)さん。
教科書のような才能の存在と高めあえる仲間達、そしてそれを世に出すフィルマー。これらの仲間がスキルに与える影響は計り知れず、それに「クルーである以上、自分だけがヘタクソであるわけにはいかない」という気迫が合わさり、日本最高のビデオ「chatty chatty」が誕生したわけですね。
ここではchattyクルーを例に挙げましたが、スケボーにおいて仲間がスキルに与える影響と言うものは確実にあります。
場所が与える影響
スポットというものがスキルに与える影響はもちろんあるに決まっていますよね。
カーブがないスポットで育ったスケーターより、カーブがあるスポットで練習したスケーターの方が当然上手くなります。
では国はどうでしょう。
私は「国」もスケボーのスキルに影響を与えると考えています。
日本って柔道強いですよね。でも普通に考えて単純な身体能力や骨格を考えると日本人が欧米の柔道選手を凌駕しているのって、すごいと思いませんか?
バスケはアメリカ、サッカーはブラジル、ホッケーはカナダ、柔道は日本、というように、すべての物事について施設や設備(スケボーで言うならスポット)以上の、いわゆる「国技」と称されるような強さが本場の地にはあります。
スケボーにおいての本場は当然アメリカですね。
この強さの秘密を私は「プライド」であると思います。非科学的で曖昧な表現ですが、「アメリカはスケボーの本場だぜ」というプライドが、常に世界の最先端を突き進むように細胞レベルにインプットされているのではないでしょうか。
その細胞たちに囲まれてスケボーしていれば、スキルに影響を与えるのは当然だと思います。
まとめ
環境が与える影響について考えてきましたが、現代においてはこの環境の差、特に「国の差」というものはかなり小さくなったと言えるでしょう。
それはインターネット、つまりSNSの力ですね。
以前なら感じ取ることができなかった本場のプライド(スキル)を、手元のスマホ一つですぐ感じ取ることができます。そしてその超人的なスキル映像と自らの血のにじむような努力が合わさると、国技に匹敵する強さをもつ外国人が増えてきても不思議ではありませんよね。
これは以前は全く歯が立たなかった日本人が今は世界で活躍するようになったきたことが何よりの証拠だと思います。
逆に言うともはや国境は関係なく「環境を言い訳にできない」とも言えるかもしれませんが。