トリック一つとっても、アウトの種類と言うのは無限です。メインアウトとフェイキーアウトのみならず、ショービットアウトやフリップアウト、ビッグスピンアウト、270°アウト。
通常この「アウト」というものはメインアウトが一番やりやすいとされていますが、中にはフェイキーアウトがやりやすいとされているトリックも存在ます。
「やりやすいとされている」よりはフェイキーアウトが主流となっている、と言った方が良いかもしれません。
その代表トリックが【フロントサイドテールスライド】です。
なぜフロントテールスライドはメインアウトではなくフェイキーアウトを駆使するスケーターが多いのでしょうか。
CHAD MUSKA(チャドマスカ)の存在は大きいか
個人的にまずフロントサイドテールスライドを世に流行らせたのは、チャド・マスカの存在が大きいと感じています。
1990年代、shorty'sというチームを従え、世界を圧巻させたビッグトリッカーですが、彼の得意トリックがフロントテールであり、そしてその全てがフェイキーアウトでした。
当時のチャドマスカは本当にスケート界のスターと言っても良く、どこへ行ってもキッズ達からサイン攻め、ちょっと異常とも言えるほどの人気でしたね。
チャドマスカのモデルデッキやシューズ(C1RCA)はバカ売れでしたし、最近は見なくなりましたが、一時期スケーターが皆ズボンの裾を膝下くらいまでまくりあげていたのは彼が流行らせたスタイルです。
これですね↓
私もまったくビッグトリッカーの要素がないスタイルにも関わらず、これとおんなじスタイルでスケボーしたものです(笑)
ちなみに彼のモデルシューズはかなりゴツくて(バッシュのよう)結構やりにくかったと記憶しています。それでも買って履きましたけどね。なんせ当時本当にスターでしたから。
そんなスターな彼がフロントテールのフェイキーアウトってカッコイイんだ!と世間に認識させ、フロントテールと言えばみんなフェイキーアウトとなりました。
私も当時はフロントテールを練習しましたが、メインアウトの方がやりやすかったにも関わらずフェイキーアウトを練習しました。他のスケーターもそうだったんじゃないでしょうか?やっているうちにフェイキーアウトがやりやすくなっていきましたが。
フロントテールと言えばフェイキーアウトだった当時
当時は本当にフロントテールでメインアウトをするスケーターは皆無と言っても良いほどでした。
「メインアウトはダサい」とすら思っていたほど、フロントテールと言えばフェイキーアウトという流れが見事にできあがっていましたね。
今考えればメインアウトって全然ダサくないどころか、普通にカッコ良いんですが、当時はそれほどイチプロスケーターの影響力と言うものは強かったです。
かと言ってフロントテールに似ているリップスライドなんかはフェイキーアウトは流行っていなかったですね。流行りと言うものは本当にわからないものです。
その「フロントテールと言えばフェイキーアウト」という当時の完全な思い込みは、当然次世代にもある程度残されています。
先輩や有名スケーターがフェイキーアウトをやっていれば自然と若者もそのような流れになるのは当然です。
しかし、最近ようやくその流れも終盤を迎えてきたように感じます。
堀米さんがバカでかいハンドレールでフロントテールをやった時なんかもメインアウトでしたもんね。本当にカッコ良かった。
その他、フロントテールのフリップアウトもメインアウトで行うスケーターも最近は多いですしね。以前は必ずフェイキーアウトでのフリップアウトが主流でした。
まとめ
普段はランキング記事等以外は出来るだけ私の主観のみでの構成はしないでおこうと気を付けているのですが、今回の記事は大きく私の主観も交えて書かせていただいています。
「フロントテールのフェイキーアウトが主流になったのはチャド・マスカの影響が大きい」という意見に違和感を感じる方もいるかもしれませんが、そこはイチおっさんスケーターの独断と偏見、及び主観で書かれた記事だということで御容赦いただきたいと思います(笑)