少し前に今年18歳(高校三年生)になるの若いスケーターからこんな相談を受けたことがあります。
「大学に進学するべきか、スケボーで上を目指すべきか」
いろ~んなことを端折って言うとこういう内容でした。
このような悩みを抱える18歳は結構多いのではないでしょうか。私も高校3年生の時に進路を決めるとき、どうしても「スケボー」が絡んできてしまい、とても悩んだことを覚えています。
でも今の若者はすごくキチンとしているんですね。昔のスケーターならこんなこと誰かに相談せずに、とりあえず「スケボーしにアメリカに行く!」というような若者が多かったです。※昔のスケーターがキチンとしていなかった、と言っているわけではないですよ(笑)
進学を勧めた
スケボーでプロになりたいという若者の気持ちは痛いほどわかります。しかし彼は今、家計的にも奨学金を背負わずに大学に進学できる立ち位置にいて、親は当然進学を勧めてくるとのこと。
私は迷わず進学を勧めておきました。
彼の現在の業界における立ち位置や将来性、スケボー業界自体の将来性、スケボーに対する世間の目、等々を考慮し「進学した方が良い」とアドバイスしたわけです。
親が大学の費用を負担してくれるという完全無敵状態なのに、なぜ彼が悩んでいるかというと、理由は一目瞭然。進学するとスケボーをする時間が減る、というものです。
進学すると好きな時撮影に行けなくなったりツアーなんかがあると何週間も旅をするし、好きな時に好きなだけスケボーすることが叶わなくなってしまいますからね。さらに若い時間も永遠ではなく、若いうちに思う存分スケボーがやりたいという気持ちはスケーターなら誰しもが持つ感情です。
しかし実情は大学生活というものは人生で一番滑る時間が多く取れます。少なくとも私はそうでした。
今現在スポンサーの金銭的な契約が発生していない以上、アルバイト等をしなくては生活ができないでしょう。フリーターのようにアルバイトをしながらスケボーをするくらいなら、大学に行ける環境がそこにあるなら絶対に進学がオススメです。
将来の就職の幅を広げつつ4年間滑り倒す、その時プロになっている(金銭契約している)可能性もゼロではない、つまり彼にとって進学は完全ノーリスクです。
進学もして、プロも目指す、という同時進行をすれば良いと思います。
ちなみに大学進学したらプロになれる可能性が低くなる、ということはないでしょう。スケボーってそういうものです。なれるやつはなれるし、なれないやつはなれませんから。
親のスネをかじること
今はずいぶんと減りましたが、昔は実家暮らしで仕事やバイトもせずに無職状態でスケボーをしまくるというスケーターが多くいました。
金銭的な契約が発生しているなら滑ることが仕事ですから全く問題ありませんが、無給無職というのはちょっとキツイ気がしますね。
全員に当てはまるものではありませんが、スケボーは意外と「仕事しながら」とか「学校通いながら」とかの方がはかどったり楽しかったりします。
もちろん無職でいつでも好きな時に好きなだけ滑ることが最高という人もいるでしょうが、少なくとも私のような凡人スケーターは、何かスケボー以外の事情を抱えながら作り出した時間で最高のスケートタイムを満喫する、という方がとてもしっくりきました。
私はスケボーの業界で働いていましたが、そこから普通の会社に転職するときに少し職歴に空白の時間がありました。
その無職の間のスケボーはどこか気が乗らなかったり、心の底から楽しめなかったですね。まさに凡人スケーターです。
まとめ
こんな話を聞いたことがあります。
ある若者がゲームが大好きすぎてゲーム会社に就職し、新発売のゲームのバグを探すという「一日中ゲーム」の仕事をしていた若者が、いつしかゲームが嫌いになり、その仕事を辞めて別の仕事をしだしたらまたゲームが好きになった、というものです。
人間は勝手なもので、どれだけそれが好きだったとしても毎日やっていれば嫌になってくるものなんですね。食べ物でも同じで、いくら焼肉が好きでも毎日3食焼肉だと嫌になりますし。
今回相談をしてきたスケーターは、まだ若く、伸びしろもたくさんあります。けれどもし進学せずにスケボーだけしていたとしても、いきなり骨折し、今後1年間滑ることができなくなるかもしれません。
さらに大学に進学しなかったからと言って、上手くなるようなタイプのスケーターでもないと思います。(私の主観ですが)
今現在がプロ(金銭契約しているライダー)であれば話は変わってきますが、そうでないなら人生のリスクマネジメントはしておくべきで、それが「大学進学」であるならば絶対に手に入れておくべきだと思います。
それは「逃げ」ではなく、今後のスケート人生をより豊かにする可能性が高まる一つのやり方、ということです。
とりあえず一人でも多くの若いスケーターが幸せになることが私の幸せです。
私はそれがスケボーに対する恩返しであると、勝手に思っている結構ヤバイやつです(笑)
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