スケボーをやっていると、パーク、ストリートに関わらず「あと1回」という言葉を聞く機会が非常に多くあります。
この「あと1回」に関してはスポーツでもよく聞く言葉ですが、スケボーに関しては言葉通りでなく、少し違った意味合いを持つことがあります。
スケボー特有の覚悟
スケボーは危ないものです。
止めてくれる審判や監督がいないので、スケーターは本人がその気になれば病院行きになる可能性があってもその1度のメイクの為に動き続けます。
良くありますよね、捻挫しているのに結局メイクまでトライして、その後に病院いってギプス!みたいなこと。普通のスポーツではほぼありえない状況ではないでしょうか。
スケーターにとっての「あと1回」とは、その言葉通り「あと1回だけやりたい」という意味ではなく、スケボー特有の「怖さの克服」や「必ずメイクする覚悟」をより強固なものにするために使われることが多いです。
バスケットボールのシュート練習や野球のバッティングではこのような意味で「あと1回」が使われることはあり得ませんよね。
特にストリートのような恐怖を伴うトライでは、1回1回がとても気力を消耗するものです。何十回もトライして疲れ果てた体に力を宿すために気力を奮い立たせる。その魔法の言葉が【あと1回】なのです。
「あと1回しかトライできないのだからこの1回で必ずモノにする!」ということを己に言い聞かせるために言っているわけですね。
あと1回で終わらない「あと1回」
スケーターが「あと1回」と言ってメイクできなかった場合、それで終わることはほとんどありません。
俺の親友のスケーターは「あと1回星人」で、よくステアなんかで「あと1回!」と言ってから30トライはやる男でした。結局メイクできずに体ボロボロにして散っていくことが多かったですけどね(笑)
このようにスケーターは、あと1回で終わらないことが非常に多く、あまりにその言葉が繰り返されると周りも「絶対どうせメイクするまでやるっしょ(笑)」となっていることもしばしばです。
しかしそれは単にウソつきということではなく、そもそもの意味合いが、己を奮い立たせるため、恐怖を克服するため、はたまたセキュリティ等の時間勝負に打ち勝つために言っているので、周りで見ている人も暖かい目で見てあげて欲しいところです。
同じスケーターですから、やっている本人の気持ちがよくわかりますからね。
まとめ
このようにスケーターは言葉一つとっても意味合いが色々ある、ちょっとややこしいやつらです。でもそんなところも憎めないでしょ?(笑)あくまで自分との戦いに勝つために言ってるのですから。
つまり僕たちスケーターは、「あと1回で終わらないあと1回」を世界一多く言う人種であり、その言葉を使って気力でメイクにもっていく力を持っています。
誇りましょう(笑)
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