フルパートの制作をしているスケーターはプロアマ問わず多いと思います。
特に最近は本格的なビデオカメラではなく、iPhoneだけで制作してあるパートもありますし、以前に比べるとかなり手軽に映像を撮りやすい環境ですからね。
フルパートを制作するのに注意点と言いますか、スケーターの暗黙のルールというものが存在します。ルールがないスケボーにもスケーターが独自で決めたマイルールがあるわけですね。
例としては、パーク映像を入れてはいけないとか、人がすでにやった同じスポット同じトリックはNGとかです。
では、人には得意トリックがありますが、そのトリックはフルパートに何回までなら入れても良いものでしょうか。
例えばいくらKグラインドが得意だからと言って、Kグラインドばかり5回も6回も出てきたらやっぱり見ている方は「またKかよ」となってしまいます。
「何回入れても良いのか」というと語弊があるので、ここでは「何回までなら入れても違和感がないのか」にしましょう。
スポットによる
ストリートの撮影というのはスポットによって同じトリックでも全然難易度が変わってくるものですが、難しいスポットであればあるほど、得意トリックで勝負したくなるものです。
しかし以前別の場所でもうその得意トリックを出してしまっていたら基本は別のトリックをチョイスすることになります。ここで「基本は」と付けたのはスポットによる場合があるからです。
例えば得意トリックがトレフリップであるなら、以前やったのがライン途中のフラットであるならば、次にステアでトレフリップを出すのはOKです。
グラインド系でも同じことが言えて、Kグラインドをラインで使っていた映像もあるけれど、次のKグラインドはハンドレール、ならOK。このような形であるなら違和感を感じるスケーターはほとんどいないでしょう。
しかし別の5段ステアでトレフリップをすでに出しているのに、場所は違うとしても同じようなサイズのステアでまたトレフリップをするのは微妙です。2つならまだしも3つ4つになるとそのパートはもう「同じトリックをやっているだけ」のパート認定されてしまう恐れがあるので注意です。
2回までならギリOK
僕的にフルパートで同じサイズのスポットで同じトリックを出すのは2回が限界であると思います。2回でもそれなりのサイズのスポットでないときびしいと思いますね。
しかし例えばフロントフリップをステアで単発でやった後、次はラインからのステアをフロントフリップであればまた別の話になってきたりもします。
下りレッジのKグラインドとハンドレールのKグラインドはOKだったりもしますし、フルパートってつくづく難しいですね。まさに気が遠くなるような作業です。
こう考えるとクリス・ジョスリンのパートとか本当にすごいと思いませんか?
全て規格外のデカさのステアなのに、ほとんど同じトリックを出すことなく、全部違うトリックでメイクしているんですから。その中には決して得意でないトリックも含まれているはずですよね。
クリス・ジョスリンクラスのスポットであるなら、得意トリックであるトレフリップを例え3つ入れてもあまり違和感がないと思いますが、そこは楽をしないのがプロなんですね。改めて尊敬です。
まとめ
僕的には「いくら得意トリックと言ってもフルパートに入れるのは2回まで」という結果になりました。
最近はスマホの台頭により、見る側の目が非常に肥えています。手元のワンタッチでフルパートが見られる時代ですから、少しの違和感があるとすぐにブラウザが閉じられてしまいます。
そんな時代に人から繰り返し見られるパートをドロップするのはかなり難しいと思いますが、スケーターが自ら課している「暗黙ルール」に則った上で、自分の力を最大限出したフルパートを制作することに意味があると思います。
スキルやスタイルに関しては個人差がありますが、暗黙のルールを破ってしまったらそこはもう「こいつ努力してねぇ」と見なされる厳しい時代になっていると最近特に強く感じます。
セキュリティも年々厳しくなっていますし、これからの若手はますますフルパート戦国時代です。
関連記事↓