以前「フルパートにはパーク映像を入れてはいけないのか」という記事を書きましたが、続編です。
他人と同じスポットで同じトリックをやる、ということは今では業界的にNGとなっていますが、国内ではまだ少し残っています。
また誤解なきよう事前にお伝えしておきますが、スケボーは自由なのでもちろん自分のパートにどんなスポットでどんなトリックを入れても、その他すべてにおいて個々の自由です。スポンサーライダー以外は。
ここで説明するのはあくまでスケボーの世界の流れや認識の話です。
海外では
以前は頻繁に「他人がやったスポットでまったく同じトリックをやる」ということが割と普通にありました。しかしこれは海外でパートにパークの映像が使われていた時と違い、日本だけです。
海外では昔から同じスポットで同じトリックをやる、ということはNGとされていたのかもしれませんね。
昔は同じスポットでの同じトリックがパートに出てきてもそんなに違和感なく「あ、これ別の人がやってるな」くらいにしか思われなかったですが、今ではとてもカッコ悪いことと認識されています。
スケボーは何よりオリジナリティやカッコ良さが求められる遊びですから、他人と同じスポットで同じトリックをしてそれを映像として世に出す、ということはそのオリジナリティを根底から覆すものであるからでしょう。
その結果有名スポットではどんどん複雑なトリックが追加され、最近では有名なハンドレールスポットであるアメリカのEL TOLOにおいてフランスのプロスケーターであるADRIEN BULARDがバックサイドテールスライドをメイクしました。
このトリックを超えるにはいよいよ回してから入ることになりそうですね。想像もつきませんが。
このように有名スポットでニュートリックが出たら「レコード(記録)更新」なんて言われることもあります。スポーツと違い長さやタイム等、目に見えるもので競っているわけでもないのに、業界全体のふわっとした感覚で「あのトリックを超えた!」となり、それが「レコード(記録)」となるとは、実にスケボーっぽいですよね。
国内では
上記で少し説明しましたが、今も国内ではたまにパートで、誰かがやっているトリックが出てきたりますし、映像だけでなく写真でも、「あれ?このトリック誰かやってなかったっけ?」ということがたまにあります。
もちろんカリスマや上手くて人気があるスケーターにはあり得ないことです。しかし中にはスポンサーがついているスケーターにも関わらず他人とガッツリトリックが被っている、なんてこともあります。
以前とは違って今はSNS等ですぐに業界に広まってしまいますから、発信する側は本当に難しい時代になりましたね。一発でダサいと広まってしまうこともありますから、スポンサーが付く、ブランドの看板を背負う、ということは本当に大変だと思います。
まとめ
フルパートからパークの映像が淘汰されてきたのとは少し違った認識がここにはあります。
パークの映像を使うことは「ズルい」。他人とトリックが被るのは「ダサい」という認識でしょうか。ここでも自分に厳しいスケーターの感覚で、自由なはずのスケボーに独自ルールが課せられていることになります。
しかしこの「他人と同じトリックがダメ」というのは、世界中のどんな物事よりもカッコ良さが求められるスケボーに関しては、当然と言えるでしょう。
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